砂手紙のなりゆきブログ

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1976年と1984年に起きたこと(新潮文庫の100冊ほか)

 新潮文庫は夏休みの文庫セールス企画として1976年に「新潮文庫の100冊」というものをはじめました。夏休みに何を読んだらいいのかわからない(あるいは、何を売ったらいいのかわからない)人のために、出版社が仕掛けたものとしては著名で、似たような夏休み企画を角川文庫・集英社文庫もその後はじめました。毎年秋に行われている「ハヤカワ文庫の100冊」もその影響下にあるんじゃないかと思います。
 同じ1976年には角川映画による映画『犬神家の一族』も公開され、横溝正史フェアとかもおこなわれ、出版社もからんだメディア展開で本を売る、という手法もこのあたりから出てきました。
 どちらもそれ以前のものとして「夏休みの課題図書」「映画・テレビになった本を売る」という発想はあったんで、それの応用ですかね。
 あと雑誌『POPEYE』の創刊も1976年の夏でした。
 個人的には1976年というのは1968年に並んでいろいろあった年なんじゃないかと思ってます。その次が1984年かな? 映画『風の谷のナウシカ』と『さよならジュピター』がほぼ同じ時期に公開された年。1983年の東京ディズニーランド開園と任天堂ファミコン発売のほうが今につながるカルチャーとしては重要かな。
 映画に関しては、アメリカン・ニューシネマは『俺たちに明日はない』(1967年)にはじまり、『ロッキー』(1976年)で終わった、という説もあるので、ほぼ重なります。これは町田智浩の説だったかな。まぁ終わりに関しては『燃えよドラゴン』(1973年)だったり『スター・ウォーズ』(1977年。日本公開は1978年)だったりするので難しい。
 だいたい7から8年ぐらいで新しいこと起きて、それがしばらく続く(○○の100冊に関しては今でも続いてる)のはどうしてなんでしょうね。大学の先輩・後輩による伝統の引き継ぎの問題とか。1年生は3年上の先輩知ってて、4年生は3年下の後輩知ってるけど、それ以上・それ以下の先輩・後輩は間接的にしか知らないですよね。