「キャプテン・フューチャー」のシリーズって真面目に書かれてたの?
エドモンド・ハミルトンの代表作であるキャプテン・フューチャー・シリーズは1940年代前半に書かれた、スペースオペラの代表作でもありますが、1941年に「スペースオペラ」という語が生まれたころには、このような宇宙冒険大活劇というアクション・ヒーロー的な物語が主流だったのか、要するにハミルトンは真面目に書いていたのか、1930年代のSFっぽいものを戯画化して書いていたのか、とんとわからない。
1980年代に作られたタケちゃんマンがその手のスーパーヒーローものを戯画化しているものでありながらも、その昔から現在まで日本的スーパーヒーローを真面目に作っていた人もいるわけで、たとえば『美少女仮面ポワトリン』(1990年)が真面目な作品なのか、真面目な作品をメタにネタにしているのか、今となってはさっぱりわからない。
ちなみに日本語版ウィキペディア、というか全世界標準的にウィキペディアの「スペースオペラ」で使われているプラネット・ストーリーズの画像(豚みたいなエイリアンが、露出度の高い女性の吹く笛みたいなので頭痛くなってるみたいな絵)は、1954年1月号の表紙で、もうそのころにはスペースオペラというものは多分存在してなかったんじゃないかな。掲載作品の「雷のような音」(レイ・ブラッドベリ)というタイトルで絵師が勝手に描いたものだと思う。
プラネット・ストーリーズで活躍した作家としてはレイ・ブラッドベリとリー・ブラケットが著名です。
なお、「太陽の黄金の林檎」が掲載された1953年11月号はもっとひどいので、一度見てみてください。