砂手紙のなりゆきブログ

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『十二人の怒れる男』の舞台化って無理があるように思えた

 この話は場所固定で、キャラの性格づけもしっかりしていて、そんなに長い話じゃないんで、舞台(芝居)としてやってみたがる人がけっこういるんですが、実際にはなかなか難しいんじゃないかと思います。
 奥を窓にして、長いテーブルを置いて十二人座らせる、というのはいいんですが…そのうちの5人が「観客席に背中を向けた姿勢」になっちゃうんですよね。
 で、この話の重要なやりとりをしなければならない8番(ほぼ主役)は、最後まで基本姿勢が、観客から見るとうしろ向き。
 映画のほうは、そこらへんぐるぐる回る撮り方してて、話している人のアップも効果的に入れてますが(そのせいで、はじめの何分かはなかなか座っている位置が把握できない、という問題もあります)、背中向けてしゃべる人はいない。
 どうもうまい考えがないんですが、こんなのはどうでしょう。
 1番の人が、
「それではここで休憩をします。えー…お客様には申し訳ありませんが、こう、お客様が座っております席のほうを後半は窓、ってことにしますんで、いいですね?」
 とメタ発言をして、180度席を変える。
 音楽はドリフターズの例の奴で。

 実はこれを芝居にするなら、部屋の中の人たちがしょっちゅう窓を向いて話してるんで、「観客席が窓」のほうが演出的にはいいかもしれない。
「ほら、雷の音が聞こえてきた」「そりゃお客さんのいねむりだろ」
 とか、くだらないことも言えるしね。