砂手紙のなりゆきブログ

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お題「何回も見た映画」(トゥモロー・ワールド)

お題「何回も見た映画」

 ぼくが多分一番何回も見た映画は『トゥモロー・ワールド』(2006年)です。
 人類に子供が生まれなくなって数十年、主人公はテロと恐怖政治が支配するディストピアに住んでいて、コーヒー飲んでたら爆発したり、列車で移動してたら暴動があったり、車で動いてたら集団に襲われたりします。主人公の父親はフラワーチャイルド世代で、子供と名前で呼び合い、痴呆老人の妻(主人公の母)と暮らしていて、ストーンズの「ルビー・チューズデイ」が流れたり、従兄は国のえらい人で、滅びつつる世界の美術品を集めているクリムゾン・キングの宮殿(ていうか、ピンク・フロイドのバターシー発電所。豚の風船まで浮かんでる)に住んでいる。
 油断してるとすぐに死んだりどこかに行っちゃったり殺し合いとか銃撃戦とかしたりする(ここらへんの、あっという間さ加減は21世紀の映画っぽいです)あやふやで危険な世界の中で、主人公は妊娠した若い女性が国外の亡命船まで逃げる手助けをします。
 この映画は、長回しも含めて、映画というのはものすごい計算でショットが積み重ねられているものもある、というのが体感できるので、ロバート・アルトマンみたいなアドリブ的映画に疲れた場合に見てると、自分自身で脳の別の部分使ってるなあ、という気分になるのでした。