砂手紙のなりゆきブログ

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キタノ・ブルーの原点(あの夏、いちばん静かな海。)

 北野武監督の映画作品の特徴として、色調が青に偏った画面があります。
 この件に関して、撮影監督の柳島克己は『映画撮影とは何か』(山口猛・編、平凡社)の中で以下のように述べています。

 一カ所気に入ったトーンがでたシーンがあった。
 それは主人公が最後に死んでしまって、女の子がたったひとりで海岸で傘をさして待っているシーンですが、そのときの青さがしっくりきた。
 (中略)その青にこだわって、『ソナチネ』では、青い色が基本トーンになった。高屋(注:高屋斎。照明担当)さんもナイト・シーンではライティングで、G系フィルターとB系フィルターを二枚重ねるようにして、雰囲気のあるブルーな感じを作ってくれました。

 映画『キッズ・リターン』も同じような感じにしたそうですが、町の中だったので大変だったそうです。
 あと、映画撮影してるとどうしても人が集まって来ちゃうんで、どんどん人のいないところでの映画撮影になったとか、いろいろおもしろいです。
 なお、町の中での映画撮影は、別にただカメラを回してるだけなら集まってくるということはなくて、どうも照明とか機材の大きいのがあったりするとくるみたいなんですね。「何の工事現場だろう?」みたいな感じで。

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