砂手紙のなりゆきブログ

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漫画『日出処の天子』と「馬屋古女王」制作秘話

 山岸凉子の漫画『日出処の天子』は雑誌『月刊LaLa』に連載され、その後コミックス(単行本)にされた、聖徳太子を主人公にした、なんかホモっぽい漫画です。
 月刊LaLaは毎月24日に発売され、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆休みの進行も特に問題がない発売日ということになっていました(お盆休み明け入稿・校了でもギリギリ何とかなった)。
 ところが連載終了後、ページ数が足りないからってことで短編「馬屋古女王」を山岸凉子が1984年9月発売の11月号に描くことにしたら、大変なことに1984年9月のカレンダーはこのようになってました。

日 月 火 水 木 金 土
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24

 要するに、雑誌発売は22日で通常より2日早く、15日が祝日だった(今は敬老の日は「9月第3月曜」ですが、当時は9月15日固定でした)ので、最終締め切りは14日いっぱい。
 それを17日まで待てないか、という交渉が決裂しちゃったんで、結局「馬屋古女王」は未完のまま、『日出処の天子』の最終巻である11巻は1984年12月に、そんなこんなで通常のコミックスより数十ページ薄い本として刊行されました。
 短編「馬屋古女王」は結局描き直して長編として角川書店の雑誌『ASUKA』に連載されました。
 なおこれは、ぼくが今までに聞いた「編集者と漫画家の大変だった話」の5番めぐらいレベルの話です。
 1番から4番までは手塚治虫が独占してる。