砂手紙のなりゆきブログ

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小物を出すときのカサコソという音(涼宮ハルヒの消失)

 鶴岡陽太という音響監督がいます。
 だいたいアニメのことあまり知らなくても、スタッフロールとかで何度も見たことがある人だと思います。
 この人の仕事は、個人的な印象としては、小さな音をリアルっぽく作るのがうまい人だなぁ、という感じです。
 アニメの音は、効果音・BGM・声優の声と、すべてが絵に乗せて作っていかなければいけません。人間の俳優が、その時に出した音(自然音)に相当するものは、アニメの世界には存在しないんですね。実写の映画でも、多くの音は作られているものですが、アニメの場合はそれをどの程度に作り込むか、というセンスがそのまま出てきます。
 劇場で見たときには普通だった『涼宮ハルヒの消失』を、家で鑑賞してたまげたのは、冒頭のハルヒがSOS団の部室でいろいろやりはじめるところでした。
 まず、ホワイトボードに書くためのペンのキャップを開けて、「SOS団クリスマスパーティ」と書くところ、キュッキュという音と、ホワイトボードがガタガタする音がちゃんとしてる。
 次に、ハルヒがクリスマス・グッズを並べて置くと、グッズの種類によって質感とか、カサカサという音が違う。
 さらに、ハルヒが落書き用のスプレー缶を振って、窓ガラスにバブルを吹き付けるところまで、音が絵(アニメの動き)と一致してる。目が点になりました。
 さらにすごいのは、別次元でのハルヒと古泉に、キョンが喫茶店で会って話をするところ。喫茶店のざわざわした感じとか、古泉がシャーボをいじるところの音とか、よくできていると思います。
 あと多分、劇場観賞用と自宅観賞用とは、音の大小を変えているんじゃないかと思います(劇場では少しぐらい大きい音でも平気だけど、自宅だとちょっと大きすぎる音になると思うんで)。
 その他、歩いてる音とか(特に長門有希のマンション)、細かな音がとても気持ちいいんですが、電車や自動車の音とか、割と大きくするとうるさいだけの音はなんとなく流しているだけに聞こえないこともないのが残念なところです。そういうのにうるさい人も世の中にはいそうな気がする。