砂手紙のなりゆきブログ

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SF・ミステリーの「年間ベストテン」みたいなのはいつごろからはじまったのか

 個人的なメモとして残しておきます。
・まず「ミステリマガジン」(早川書房)で確認できるかぎりでは、1980年の2月号(事実上は年末刊行)で「特集・'79年翻訳ミステリ回顧」という座談会(参加者は北上次郎瀬戸川猛資・浜田サトル・芳野昌之)と「アンケート・私のベスト3」を行う。
 それが雑誌の恒例となり、毎年資料みたいなのがミステリマガジンについてて、2007年に「ミステリが読みたい!」という1冊本になる。
 2013年には再び雑誌の一部となる。
・「このミステリーがすごい!」は1988年にスタート。1991年版より「表記の前年の作品」が選考対象になり、今も続いている。
・「本格ミステリ・ベスト10」は、雑誌「創元推理」16号(1997年)にはじまり、いろいろあって版元は原書房で、今でも続いている。
・「SFマガジン」では、1991年3月号で「SF総括1990」という特集が組まれ、総括展望と「マイ・ベスト3」というアンケートが行われている。
 2001年には「SFが読みたい!」として独立する。アンケート集計はいつ頃行われるようになったのかは調査中。
・2004年、「本屋大賞」という企画がスタートする。

 顧みれば、どの「ベストテン」も10年の歴史があるわけで、そこで選ばれた作品読んでるだけで1年以上は暇を潰せます(潰せる暇のある人は)。
 ただやはり、年間でベスト作品選ぶことの弊害もあるようで、古典と言われているようなものがさっぱり読まれなくなった(ときどき書店では復刊とかしてるけど)のは困ったものであります。あと、1位以外の作品すっかり忘れられるとか。本屋大賞はどういうわけか1位以外もけっこう映画化されてたりしてみんなの知ってる本は多いと思う。
 週刊文春の「ミステリーベストテン」に関しては、ウィキペディア情報以外さっぱりわからない。というかあまり調べる気にならない。サイト作って欲しいです。1977年の年末刊行号でスタートしてるから、これがきっかけだと思うんですけどね。
 そういう本ができる前は、ミステリーファンは新刊が出たらとりあえず読んで、その合間に古典を読んでたんじゃないかと思う。いい時代ですね。「もう年末かー」なんて回顧しない。ベストテンの本を書店が並べたり買ったりするということもない(多分)。クリスティの昔の本とか読んでたんでしょうね。