砂手紙のなりゆきブログ

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図書館のマネタイズっていうか、どうやったら儲けられるようになるのか(未来をつくる図書館)

 岩波新書の『未来をつくる図書館』(菅谷明子)って本を流し読みしました。
 この本の中の「未来」というのは、(多分)2003年のときに考えていた未来で、「図書館」というのは「ニューヨーク公共図書館」のことです。この図書館は運営・財政面を政府や自治体に依存しないで、寄付金によってまかなっているというアメリカっぽい図書館で、この本が書かれた時点では4つの研究図書館と85の地域分館を持ち、ニューヨークのマンハッタン・ブロンクス・スタテン島の各区を拠点にしています(ブルックリンとクイーンズ地区には別の公共図書館があります)。図書館なので利用は無料ですが、寄付金を集めるためのディナーとかやったりしてまかなっているようです。要するに金が回らないと運営ができないわけで、研究図書館の中の「科学産業ビジネス図書館(シブル)」を中心に、起業家支援のためのセミナーとかしてるみたいです。10年以上前の本なので今はどうかわからない。検索すればいいのか。
 この本の冒頭にあげられてるゼロックスとかパンアメリカン航空を作った人は成功者の例に挙げられてるけど、失敗した人はもう何万人のレベルでいるんじゃないかな、アメリカだから。
 日本の公共図書館、っていうか公立図書館ってそういうのないですよね。資料を集めて、利用させて、利用者の個人情報を守って、検閲に反対するだけ。人件費とか図書購入費は国とか地方自治体とか、大学の場合は学生に出してもらってる。市町村レベルの図書館はただの無料貸本屋。みんな東野圭吾宮部みゆきの新刊しか読まない(←少し盛ってみました)。
 金を儲けさせる、というと言いかたが卑しくなりますが、金をうまく回らせるための図書館利用法って、職員の人考えられないですかね。日本だと港区とか千代田区だったらできそうだけど、地方じゃ難しいか。
 金が入る→税金を収める→国とか県とか市町村が図書館に予算つけるようになる、ということなので、金が回らないと誰も幸せにならない。
 今だと、調べものをするにも自宅でインターネットでできるんで、図書館には金儲けの方法を見つけるための本っての、なかなか置いてない。
 世田谷文学館とか、豊島区のミステリー文学資料館とか、面白い企画やってたりするんだけどな。一応ミステリーは昔の作品とか本にしたりして金回してるか。問題は本好き・ミステリー好きに金持ちはそんなに多くないってところですかね。
 宮部みゆき東野圭吾をゲストにして、豪華ディナーショーとかやれよ。
 パンアメリカン航空の人(本の中では創設者ジュリアン・トリッペってなってるけど、日本語では検索でヒットしない)が太平洋横断航空路線で、グアムとハワイの間にある島を補給基地として発見したのはニューヨーク公共図書館の資料かららしいですが、その島は多分ミッドウェー島です。