朝までザ・フーじゃ牛も乳出ないし鶏も卵生まなくなるよね（ウッドストック）

　映画『ウッドストック　愛と平和と音楽の３日間』（1970年）を見ました。世界ほぼ最初の大規模野外ロックコンサートとしていろいろ有名な、1969年８月15日午後から８月18日早朝までおこなわれたものを、マーティン・スコセッシとセルマ・スクーンメイカーが狂気の編集技術でまとめたドキュメンタリー映像です（監督はマイケル・ウォドレーっていう人）。左右に違う映像映ってて、左のほうではヘリが上から下に飛んだり、右のほうではバイクが右から左に走ったり、ややこしい映画でした。
　感心したのは、ステージの人をものすごくアップで撮ってたりするのに、カメラ機材が他のカメラでほとんど撮られてないこと。多分そういうの選んで編集したんだろうね。あと実際に撮ってるカメラとても小さいです。この時代にこんな小さいのあったの？　って思うぐらい。

　しかしこんだけ近くで撮影してたんじゃ、ライブで見に来ていた人たちはカメラマンの尻のほうがよく見えたんじゃないかと思った。
　見に来てる人たち、けっこういい車の白人ばっかりなので、ヒッピーとは言っても今の高学歴ニートみたいなもんだったんだな。貧民とか有色人種ほとんど見られない。でもステージで演奏するのは黒人とか、黒っぽい人多いです。
　無駄な知識として、このコンサート、「ウッドストック」って言ってるけど実際はそこから少し離れた「サリバン郡ベセル」でおこなわれたのと、映画と実際の演奏とは順番が違う（最初のリッチー・ヘブンスと、最後のジミ・ヘンドリックスだけ合ってる）というのがあります。たとえば２日目は、

ジャニス・ジョプリン
スライ＆ザ・ファミリー・ストーン
ザ・フー
ジェファーソン・エアプレイン

　っていう順番だけど、映画はザ・フー～（いろいろあって）～ジェファーソン・エアプレイン～（いろいろあって）～スライ＆ザ・ファミリー・ストーン～ジャニス・ジョプリン、っていうわけわからない順番になってる。
　おまけにザ・フーの演奏は24曲！　夕日のような朝日の中でジェファーソン・エアプレインの人がステージで「グッドモーニング！」って挨拶してる。朝まで生ザ・フーかよ。
　ぼくが牧場主ならステージに上がってメンバーの首しめる。