砂手紙のなりゆきブログ

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ロバート&エリザベス・ブラウニング(リトル・ロマンス)

 ロバート・ブラウニングはイギリス生まれの19世紀の詩人で、バイロンとシェリーの影響を受け、劇詩・長詩などを手がけ、1946年には女流詩人エリザベスと結婚してイタリアに15年間住みました。
 妻は1861年に亡くなり、フィレンツェに埋葬されますが、1869年に発表された「The Ring and The Book」は2万行にわたる無韻詩で、17世紀ローマで起きた殺人事件を題材にしており、19世紀文学の大力作と言われています(戦前の百科事典から)。
 ロバート・ブラウニングは1889年12月12日、ヴェネツィアに住む息子ロバート・バレット・ブラウニングが住んでいたカレッツォーニコ(現代は美術館になっています)の一室で亡くなりました。
 ジョージ・ロイ・ヒル監督による映画『リトル・ロマンス』は、フランス人の天才少年とアメリカ人の天才少女の物語ですが、作中にローレンス・オリヴィエが引退した外交官としてエリザベス・ブラウニングの詩を暗唱し、自分がヴェネツィアに住んでいたときの住まいはブラウニングが昔住んでいて、床下からメモが出てきたとホラを吹きます。暗唱された詩は以下のようなものです。

 ...with all the breath, smiles and tears of all of my life.
 And if God choose I shall but love thee better after death.

 ポルトガル語からのソネット(Sonnets from the Portuguese)43番、How Do I Love Thee? (Sonnet 43)ですかね。
 映画の中で少女のローレン(ダイアン・レイン)が読んでいる本はハイデッガー形而上学とは何か』(形而上学入門)で、セリフが「彼は3年前に死んでる」。おまけにダイアン・レインは本当に13歳。信じられない1979年(映画製作は1978年)です。
 参考画像。作中に出てくる映画撮影カメラ。多分パナビジョン社製のPanaflex Gold(1976)かな? 時代的には携帯が容易なステディカムとの交代期ですかね。

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