砂手紙のなりゆきブログ

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ヘンゼルとグレーテルの「お菓子の家」は舞台のどっちがわに立ってるか、あとえらいひとはどうして舞台の右側にすわるのか

 西洋の演劇は客席から人形をあやつっているように人物がうごき、日本の舞台芸は神の手で背後からあやつられているようにうごく、と解釈してます。つまり、日本の場合は「あやつってる神」が、見ているひとにとっての「左側」(神にとっての右手)で舞台のひとをあやつります。
 ところであなたが「ヘンゼルとグレーテル」の劇をやるとして、お菓子の家をどちらに置きますか?
 ふつうはお菓子の家を「左」に置いて、ヘンゼルとグレーテルが右(かみて)から出してみたくなっちゃいますよね。でもそれはまちがい。「左側=奥」「右側=手前」の法則からいうとそれでもいいんですが、兄妹と魔女たちによる、家の中での芝居が右側にすわるえらいひとには見えにくくなります。
 吉本新喜劇でも歌舞伎でも、部屋にはいって中でなにかやるときは、だいたい舞台の「左側」からはいります。
 ではなぜえらいひとは「舞台の右側」にすわるのか、というとですね。飲み物とか取って飲むときに、右手で盃を持ちますよね。そのとき右側にひとがいたら邪魔じゃないですか。これは映画館とおなじです。
 あとたぶん本当は、剣でブスッとひとを刺すとき、すわっている左側にいるひとのほうを刺すのが圧倒的にやりやすいんです。こう、剣は左の腰につけますよね。ちょっと抜いてブス。これが右側の人を刺そうと思うと、モーションが大きくなって誰かに止められる。だからえらいひとは右側のひとに用心しないといけない。
 芝居見物のときにはみんな武装解除するのかな。
 あと、ギリシャ時代の劇はどのような演出をしていたのか、今ブログを書いている時点ではさっぱり分かってません。