砂手紙のなりゆきブログ

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小林信彦では古すぎるし町山智浩では新しすぎる(映画の人)

 というわけで、映画を見るための参考になる意見を言っている人を幅広く見てるんですが、一番古いのは今のところ双葉十三郎で、新しいのは長谷川町蔵かな。本当に、映画ってその人が若いときに見た映画が一番面白いと思ってるもんなんですね。小林信彦の場合はマルクス兄弟とか、町山智浩だと『ロッキー』なんだろうなぁ。まぁ、小林信彦とその世代で1960年代中頃ぐらいまでの「何となく面白そうな映画」というのはわかるし、町山智浩以降の世代で1970年代中頃以降の面白そうな映画もわかる。ところが、その間のちょっと映画的には微妙な時期(アメリカン・ニューシネマ黄金時代)はどの映画が面白いか、って言ってくれてる人がいないような気がするんですよね。で、ミステリーでも同じようなこと考えてたら、いわゆる本格小説の翻訳黄金時代と、綾辻行人以来の新本格ミステリーの間を語れる人って、北村薫がいるんだよね。まぁ最近の日本人中心にしたミステリーは読んでないらしいんですけど。
 で、あー、そうか、瀬戸川猛資が死んじゃったから、なんかその時代の映画で面白そうなのが今イチわからないんだな、ってわかった。
 しかし、アメリカン・ニューシネマって、今見ても面白いものなんだろうか。面白いものは多分残ってるけど、一見つまらなそうに見えて実は傑作、この映画を知らないとは、と瀬戸川猛資さんがえらそうに語って、実際に見てみるとたいしたことがない、という作品が、多分ふたケタぐらいはあるね。
 瀬戸川猛資が紹介していた本や映画はたいていそういうものばっかりでした。彼の紹介文ほどには面白くない。