砂手紙のなりゆきブログ

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戦後女性の問題(東京物語)

 近代の戦争は基本的に男性がするもので、死ぬのも男性が多いので、大量の戦争未亡人が生まれることになって、第一次大戦後の西欧では職業婦人や女権拡張が進み、イギリスではチャタレイ夫人やミス・マープルが生まれました。
 日本の場合は第二次大戦後、昭和20年代(1945~55年)で、親の悩みは娘の結婚相手を探すことで、小津安二郎の、どれを見ても同じような映画もその時期に生まれました。
 映画『東京物語』(1954年)は、老いた夫婦という老人問題であると同時に、息子が戦死して結婚できない義理の娘の話でもあります。
 でもって、その当時結婚問題で親を苦労させた娘が、今は老人介護問題で子供に苦労させてる老婆になっているという、なんともはや、このおそらく「昭子」という名前を持つ女性が目立つだろう世代(昭和ヒトケタ世代)は、死ぬまで人に苦労させて自分も苦労するという、大変な世代です。
 男性は戦争で死んだりしてるんで、もっとひどいか。