砂手紙のなりゆきブログ

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中原中也のキラキラした瞳(蒼き鋼のアルペジオ)

 中原中也のよく知られている(ウィキペディアにも使われている)写真は、ふたつのトリックがあります。ひとつは彼の特徴である、とがった耳(そのために彼は「山羊くん」と呼ばれ、詩集『山羊の歌』の由来になりました)を帽子で隠していることと、瞳を中央に寄せてキラキラ感を出して可愛らしさを演出していることです。

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 帽子をかぶっていない中原中也の写真も検索すればたくさんあるし、同じような構図(多分同じときに写真館で撮ったもの)で、両目をカメラのほうに向けているのではなくて、左方向を見ている写真も、たとえば『中原中也を読む』(笠間書院)の書影などでや使われています。

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 なぜか人間の感覚として、両目がちょっと中央に寄り気味のほうが顔全体が可愛く見えるんですよね。実写だとえーと誰だっけ、名前思い出せないや、あっそうだ、広末涼子だ。
 ということで、アニメだと『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』(2013年)のエレナとか、いくらでもある。
「だから私たちは命令を欲している」

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 象徴主義時代のフランスの詩人なんて、たいていアブサン飲んで頭くらくらさせながら書かれたものだと思っていい。でたらめな詩を適当に解釈したり、適当な翻訳で読んだりして生まれたのが中原中也の詩とかボブ・ディランの歌。だから多分酔っぱらいながら読むとヴェルレーヌとかランボーの詩、少しわかったような気になると思う。