砂手紙のなりゆきブログ

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きっとあなたが写ってる(陸軍)

 木下惠介が戦時中に作った映画『陸軍』は、親子3代にわたって日本帝国陸軍に奉仕した一族に関する悲しい話ですが、一応戦意高揚映画にはなっている(少なくとも反戦映画ではない)はずです。木下惠介というのは本当に、モブ撮っても狭いところ撮っても、カメラワークのセンスが抜群の人なので、いちいち感心してしまいます。
 この映画の最後では、実際の陸軍の、出征に行く兵士をエキストラに大量動員して、まぁ数千人規模の軍人と群衆を動かして感動させます。このときの兵士は南方でほとんど亡くなってしまったので、これが「遺影映画」と言われたりしている所以です。ところで遺影っていつごろから使われるようになったんだろうな。それを考えると検索とかして話が長くなるんで置いておいて。
 怪獣映画は怪獣に襲われる人・避難する人を大量に出さなければならないんで、大量のエキストラが必要です。昭和時代はよく知らないんですが、平成ゴジラでは大学の映画研究会・特撮班とか、SF研究会(昔はそのようなものも盛んだったんです)のメンバーの大学生が、怪獣から逃げる役で出ていたんじゃないかと思います。
 それからもうだいぶ経っているので、自分の子供に自分がエキストラで出ている怪獣映画を見せているお父さんとかもいるんじゃないですかね。ご両親ともに出てたりするのか。とりあえずエキストラ募集とかあったら応募してみるといろいろいいかもしれません。死にかかってる人はもっといいかも。あと、死にそうな人のライブは、ダフ屋に金払っても見たほうがいいです。
 しかし昔一番うらやましかったのは、ディープ・パープルの『ライブ・イン・ジャパン』で「ここに写ってるのが俺」という先輩でした。今はもうCDの時代なので、LPほどはっきりはわかりません。
 昔のライブ映像とか見てると、あそこで昔キャーキャー言ってた人たちは今みんなどうしてるのかといろいろ思ってしまいます。ビートルズのライブを見ていた人だって、たいていは爺さん婆さんにはなってるだろうけど、多分生きてますよね。