砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

映画『ジャガーノート』で納得できないところ4つ

(以下ネタバラあるので注意) 映画『ジャガーノート』(1974年)は、爆弾が仕掛けられた客船を扱ったパニック映画で、世間的には「青と赤のコードのどちらを切れば爆発しないか」という奴の元ネタということになっています。 で、これはネットで拾ったんで…

やっと物語がひとつできました(解説者と分析者のためのあとがき)

途中どうもビールばっかり飲んでたせいで、完成がだいぶ遅れましたが、やっと終わりましたので、「解説者と分析者のためのあとがき」を転載します。 kakuyomu.jp 書き終わってから半日ぐらいは、これは自分が書いた物語の中でも最高、とか思いますが、書き始…

麻生吉郎という編集者

阿川弘之は、「一編集者の死」という随筆で、次のように書いています。(初出「波」1973(昭和48)年9月号。引用は阿川弘之全集16巻より、かなづかいは引用のまま)『麻生吉郎といふ一人の編集者が、若くして亡くなつた。(中略) 彼は「週刊新潮」のデスク…

赤ん坊と死体の持ち方の違い(お姫様だっこ)

ミケランジェロの有名な彫刻「ピエタ」は、十字架からおろされたキリストを抱く聖母マリアの像ですが、この像は向かって左側、つまりマリアの右腕のほうに頭があります。 赤ちゃんを抱いた・育てたことのあるような人は、なんか違うな、と思います。 赤ちゃ…

落語「芝浜」と「火焔太鼓」の物語の奥づけ

落語「芝浜」は、飲んだくれの魚屋が早起きをして浜で金の入った財布を拾う話です。 しかし考えてみると、その財布ってどこから出てきたんでしょうかね。海に落とした人がいるわけで、そこらへんの物語については謎とその合理的な解釈があります。 つまり、…

ふりがな(ルビ)のつけかたにはふたつの方法がある(ゴブリンスレイヤー)

ライトノベル系の文庫は、普通の文庫よりふりがな(ルビ)が余計についています。どういう漢字にふりがなをつけるのかは、どうもよくわからないけど、各社・各ブランドで決まってるんだろうな。 それはともかく、ふりがな(ルビ)をつける場合、ふたつの方法…

壁抜け撮影法に意味はあるのかどうか(ロック・ミー・ハムレット!)

三谷幸喜と和田誠の、映画に関するていねいな対談本『これもまた別の話』(1999年、キネマ旬報社)の中で、ふたりは映画『カサブランカ』(1942年)のあるショットについて言及しています。p363-364三谷「リックが事務所に入って来るところ、ワンカットで撮…

「と」「りと」が多すぎる文章(神隠しの森)

集英社オレンジ文庫『神隠しの森』(梨沙、2016年)は、ジャンル的に普通の小説とライトノベルの中間ぐらいに位置するライト文芸的な物語で、田舎を舞台にしたホラー、と言えばいいんですかね。 内容的には特にどうということはないんですが、文章がものすご…

金・銀・銅の英語と日本語の対応

翻訳的にはこうなっています。金(きん)=gold(ゴールド)銀(ぎん)=silver(シルバー)銅(どう)=copper(カッパー) 英語に対応する(音を合わせる)と、こうなります。黄金(こがね)=gold(ゴールド)白銀(しろがね)=silver(シルバー)赤金(…

レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』の冒頭はどう訳す?

英語テキストはこんな感じです。The first time I laid eyes on Terry Lennox he was drunk in a Rolls-Royce Silver Wraith outside the terrace of The Dancers. はい、もういきなり、「ロールス・ロイス・シルヴァーレイス」がわからないですね。今はウィ…

「I wish you are fear.」はどう訳す

これはスティーヴン・キングの小説『シャイニング』(1977年)に出てくるフレーズで、日本語訳はどうなってたかな(あとで調べて追記します)。 オリジナルはピンク・フロイドの『炎~あなたがここにいてほしい』(原題:Wish You Were Here)(1975年)です…

「スカボロー・フェア」の歌詞の合わせかた

その前に、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」について。 これは「沈黙の音」ですね。「サイレンス」の「イ」と「ちんもく」の「ち」、「サウンド」の「ド」と「おと」の「お」が対応してる。「静寂の音」「静けさの音」でも合う。 …

色の名前を英語と日本語で合わせる

だんだん難しくなるわけですが。 まず、緑(みどり)=green黄色(きいろ)=yellow と、このふたつは「り」「r」、「ろ」「lo」があるのでだいたい合わせられる。rとlは違いますけど、気にしない。 肝心の、赤(あか)=red青(あお)=blue が合わないんだ…

四季(春夏秋冬)の音を英語と日本語で合わせる

自分のブログでは、原則として英語を使わないようにしています(英語テキストだともう、それだけで読む気をなくすんじゃないかと思うんで)が、今日は単語なんで許してください。 翻訳として気になるのは、「音」が合っているかどうかです。難しく考えないで…

一人称が「おれ」の『ロング・グッドバイ』が読みたい(レイモンド・チャンドラー)

実はレイモンド・チャンドラーは、1959年に亡くなってますので、作品はパブリック・ドメインという扱いになっています。要するに、誰がどのように翻訳してもいい。おれが日本語で翻訳してもいい。 1963年までに亡くなった人はだいたいそういう扱いです。 そ…

ジャック・リーチャーのシリーズが読みたい

ジャック・リーチャーというのは、イギリス(今はアメリカに居住)のミステリー作家リー・チャイルドが創作したキャラクターで、映画はトム・クルーズ主演の『アウトロー』(2012年)『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(2016年)があります。シリーズ…

ジョン・フォードと黒澤明監督のいいところは、役者のリアクションをちゃんと撮っているところ(黄色いリボン)

1980年代の、MTV世代の監督が映画を撮りはじめるようになってから、映画は映像的につまらなくなったと思います。 ミュージック・クリップって、役者(というかまあ、パフォーマー)のアクションを撮るのが主で、そういうのばっかり撮ってるとリアクション…

読解力と(長い)小説の問題に関する私感

小説のほうに熱中しすぎてて、ブログの更新をひと月ぐらいサボってしまいました。とりあえず、小説のほうは毎日1500字ぐらいは書いてるんですが。 予定ではあと2章ぐらい書いておしまいの予定なので、2月の中頃で終わります。 kakuyomu.jp 昔も今も、若者…

小説を書いていて不思議なのは、伏線回収が実にうまくいくところ

ちゃんとしたラブコメを書きたいと思ってはじめた話ですが、ラストのところを先に書いて、書き足してあまりの感動作品になってしまったので(多分来年の2月までには完結すると思う)、我ながらどうしようかと思う。だいたいそういう「傑作」感は作者の幻想…

映画『この世界の片隅に』(2016年)で残念なところ

(以下ネタバラあるので注意) 劇場公開のアニメ『この世界の片隅に』(2016年)は、広島で生まれ呉に嫁いだ、平凡で少しトロいけど絵を描くのが大好きな女性・浦野すず(嫁いだ後は北條すず)の、戦前から戦後にかけての、どんどんつらくなるけど最後には少…

「君の名は。」と聞かれても、友達であればあるほど本当の名前を教えられない未来

現在執筆中の小説は近未来(だいたい十年以内の未来)の学園ラブコメですが、そこでは現在の状況を加味して、以下のような恐怖の未来を想定しています。・校内にはいたるところに監視カメラ(防犯カメラ)がある・校内では生徒の携帯端末による撮影は一切禁…

文庫本一冊ぐらいの長さの小説を一つ仕上げるのにかかる時間は180時間ぐらい

どうも、秋アニメ(という設定)の話はうまく行かないので、それと関係する別の話を書きはじめました。要するに冬アニメ(という設定)。1作目は春のそよ風を感じながら書いた春アニメ、2作目はなかなか眠れない夜の暑さの下で書いた夏アニメで、これが3…

ぼくが見たいのは映画の話ではなくどういう角度から撮るかという演出

3人の悪者(詐欺師)がいます。男性がふたりで女性がひとり。 女性がコーヒーを入れてカウンターのところにふたつ置きます。 コーヒーがアップになるとその奥のドアが開いて、男Aが入ってきて言います。「次の獲物が見つかりましたよ。利権で儲けている現…

2006年に作られた、2017年設定のアニメ(LEMON ANGEL PROJECT)

アニメ『LEMON ANGEL PROJECT』は、2006年1月から3月に放映された、2017年11月にデビューするという設定になっている6人のアイドルグループを描いた話です。その時代に考えられた未来なので、今となってはごく普通のものに思われているものが存在しない、も…

なぜ吉本隆明が昔の全共闘系若者に支持されたかを考える呉智英の説

呉智英『吉本隆明という「共同幻想」』(2016年、ちくま文庫)は、吉本隆明のテキストを21世紀的に解釈するためのわかりやすい読み物になっています。要するに、なぜ1960年代当時の、主に全共闘世代に支持されたかについての想像を助ける手がかりになります。…

吉本隆明とは何だったのか(吉本隆明という「共同幻想」)

呉智英『吉本隆明という「共同幻想」』(2016年、ちくま文庫)は、1960年代から1980年代にかけて、大変もてはやされた吉本隆明という評論家について、21世紀的な知見をもってぶった切っている痛快苦虫系の本です。 吉本隆明に関しては、吉本ばななのお父さん…

校正とは別の面倒くささを山本弘『翼を持つ少女』(創元推理文庫)で考える

山本弘『翼を持つ少女 上』(2016年4月28日発行)は、冒頭に「ビブリオバトル公式ルール」の「ルールの補足」として、以下のようなテキストがあります。『4 全発表参加者に紹介された本の中で「どの本を一番読みたくなったか?」を基準に参加者全員で投票を…

自分の倍の年の人の考えはわからないし、半分の年の人の考えは忘れている(機動戦士ガンダム)

たとえば、あなたが小説を書いているとして、30歳だったとしましょう。 物語の中に60歳の人を出そうと思っても、多分うまく書けない。既成のテンプレートをなんとかして、想像で補うしかないので、どうもその内面まではきっちり書けないはず。 逆に15歳の人…

ギャグネタは古いほうから使って行く

こんなギャグがあるとします。『彼は連合軍がノルマンディに上陸したという知らせを聞いたときのロンメルみたいな顔をした。』 でもって、こんなギャグもあるとします。『彼は巨大不明生物が鎌倉に再上陸したという知らせを聞いたときの内閣官房副長官みたい…

『おれのふたごの妹はひとりだが6人いる』解説者と分析者のためのあとがき

作品が完成したので、あとがきを書きました。 kakuyomu.jp 自作自註というのは面倒くさいが、やっておかないと勝手な・余計な解釈をする人もいるのでいやいややる、と三島由紀夫(だったかな、とにかくえらい作家)が言っていたので、別にえらい作家ではない…